Prosopocoilus kannegieteri
カネギエーテルノコギリクワガタ(マレーシア キャメロンハイランド)
野生採集個体。♂大型個体でも40mm台前半の小型種ですが、大歯型の出現頻度が高い(一般に小型種では小歯型が多くなる傾向があるようです)と言われます。♀は凄く小さく感じます。方眼紙(1 mm)と比べて下さい。
初回の産卵セット。基本通りに産卵材は柔らかめのクヌギ材を半埋め、マットは黒っぽいものを使ってみました。成虫の寿命は数ヶ月ですが、ケースの壁沿いには幼虫が見られなかったので暫く放置すると、ある日、既に成長した幼虫(3齢)が1頭あらわれ、2ー3週間後に蛹化しました。その固体の羽化後、マットを掘り産卵材を割ると既に羽化した成虫が3頭いました。2回目以降は同様のセットで多数の幼虫が採れています。
羽化直後は白っぽいです。羽化後すぐには蛹室から出ずにじっとしています。ノコギリクワガタ属はこの休眠期間が長いと言われています。カネギエーテルでは1−3ヶ月でしょうか。
♂の頭部には小さな一対の突起があります。同じ飼育ケースの中で、♂2頭、♀2頭が成虫になっていました。
2回目以降は時期を見て(セット後1ー2ヶ月)所謂「割り出し」をしています。卵と初齢幼虫は主に産卵材中に見つかります。この頃には、柔らかめの材は手で簡単に割れるまで発酵が進んでいます。材中の幼虫は食べた材の色で黄色くなっています。
幼虫は1頭ずつマットを入れたプリンカップへ。カネギエーテルは最初 60 ml のカップ、1−2ヶ月後に 200 ml へマットを追加して移しています。驚く程短期間で3齢幼虫に成長します。
♂の蛹、同一個体の別アングル。蛹は腹(胴体後半の節で構成される部分)を驚く程大きく頻繁に動かしてしょっちゅう向きを変えています。
2回累代した♀個体。サイズは大体揃っていますが小さいものもいます。
2回累代した♂個体。大歯型、小歯型に分かれ、大歯型の方が多く羽化しました。左右で違うものもいます。
小型プラケースで産卵後一切掘り返さず多頭飼育で成虫まで育てた固体。あまり良い結果ではありませんでした。
次の代の成虫達。今回初めて中歯型が羽化しました。
いわゆるF4世代。
いわゆるF5世代。
標本。
Lucanid Beetles